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農家と顧客を「おいしい」で繋ぐ!【アグリゲート】

それでは、本日のSDGs道場を始めます。

 

「礼!」(よろしくお願いします!)

 

ということで、本日も始まりましたSDGs道場。

 

本日は、久しぶりに、

 

・SDGsの基礎知識と

・SDGsなビジネスモデル

 

でご紹介します。

 

まずは、SDGsの基礎知識から。

 


SDGsの基礎知識


■目標12 つくる責任 つかう責任

〇正式な目標

「持続可能な生産消費形態を確保する」

 

〇ターゲット12.3

  2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

■大量生産・大量消費社会はもう限界に・・・

 

世界の人々は今、大量のエネルギーや資源を使って大量の製品や食品を生産・消費し、大量に廃棄しています。

どれだけ食品を廃棄しているか、具体的な数値でみてみましょう。世界レベルでの品目別の食品ロスの割合を調べてみました。

・・・・・・・・・・・・・

・穀物 30%

・乳製品 20%

・魚介類 35%

・果物と野菜 45%

・肉類 20%

・種子や豆類 20%

・根菜類 45%

・・・・・・・・・・・・・

出典:国際連合食糧農業機関(FAO)HPより:

http://www.fao.org/resources/infographics/infographics-details/en/c/317265/

 

果物と野菜、根菜類なんて生産量の約半分も廃棄されているんですね!衝撃的です…。

世界には食べるものに困っている人もいるというのに、これだけの食糧が廃棄されている。この仕組みはどうにかして変えていかないといけないですよね…。

 

この問題を足元から解決していくために、果敢に挑戦している日本企業があります。それが、本日ご紹介する、

 

㈱アグリゲート

 

です。

 

本日は、この「アグリゲート」のビジネスモデルについて、ご紹介いたします!

 


SDGsなビジネスモデル


■農家と顧客を”おいしい”で繋ぐ!【アグリゲート】

 

私は、SDGs経営に役立つビジネスモデルを勉強したいと思い、テレビメモを続けています。先日、テレビ東京「カンブリア宮殿」の過去のバックナンバーを見ていたら、非常に素晴らしい企業を見つけました。

それが、本日ご紹介する㈱アグリゲートさんです。

 

㈱アグリゲートの社長は左今克憲さん。

 

左今さんは、全国を回る中で、規格外品の野菜が廃棄されていることを目の当たりにして、販売側の論理だけでかなり美味しい野菜が廃棄されていることを非常に危惧されたそうです。

 

「これから農家の数がどんどん減少していく中で、一戸一戸の農家が売上を上げられるように強くなっていく必要がある。」

 

そう考えた左今さんが考えたビジネスモデルが、

 

「全国の”こだわり農家”が規格外として市場で販売できない野菜を安く買い取り、都心で新鮮・安さ・おいしさを売りに販売する」

 

です。

 

全国で規格外品の野菜が廃棄されています。せっかく美味しく育った野菜も、ちょっと大きくなりすぎたり、ちょっと曲がったりするだけで市場で取引してもらえず、廃棄せざるを得ない状況です。

 

「販売側の論理だけでかなり美味しい野菜が廃棄されている。」

 

左今さんはこの問題をなんとか解決していきたいと考えました。

 

そこで、立ち上げたのが、「旬八青果店」という八百屋さんです。

 

普通、八百屋さんと言えば一店舗ですが、「旬八青果店」は目黒・品川・港区を中心に十数店舗展開しており、いわば「八百屋のチェーン店」。でもスーパーとは一線を画しています。

 

その成果は…

 

・2009年創業、2017年4月期で年商4億円

・平均的な青果店の3倍の売上(青果店(20㎡未満)の平均月収 全国161万円、旬八450万円)

・取引先の農家は全国で約100件

 

(2017年12月7日放送テレビ東京「カンブリア宮殿」より)

 

と、本当に大躍進しています。

 

なぜこここまで躍進しているのか。その理由を私なりに考えてみました。

 

■なぜ「旬八青果店」が成功しているのか?

 

その1:圧倒的な安さとおいしさを実現!

 

販売価格が一般的なスーパーと比較して1/2~2/3程度で圧倒的に安い。でも、規格外品を買い取っているので、安いというのはある意味当たり前かもしれません。でも「旬八青果店」が取引しているのは"こだわり農家”です。若くてやる気があって、こだわりの農業をしている農家を全国を回って見つけて取引しています。だから、普段スーパーでは見ないような珍しい野菜も手に入るし、スーパーで買うよりもおいしい野菜が手に入る。一度利用したお客様はもうこのお店のファンになり、どんどん口コミで広がっていくんだろうなと思います。(私も近くにあったら絶対に行きたいです。)

 

その2:農家とお客様を密接に繋ぐ店舗スタッフ

 

店舗スタッフの商品知識が半場ないです!番組の中では、店舗スタッフがしっかり生産者のこだわりを理解していて、接客の中でその情報をお客様に丁寧に伝えている様子が取り上げられていました。販売している野菜がどういう方にどういう方法で作られたのか、どうやって食べるとおいしいのか、を顧客に丁寧に伝えているんです。それには、ちゃんと本部から各店舗に情報を流していく必要があり、そういう情報ルートが確保されているんだろうと思います。

更に、店舗内の手書きPOPにも農家から聞いた細かい情報が書き込まれていて、規格外品をデメリットと感じさせずに販売する工夫があちこちに凝らされていました。店舗スタッフが、農家とお客様を密接に繋ぐメディアになっているんですね。素晴らしい従業員教育がなされています。

 

その3:徹底的に食品ロスのなくすビジネスモデル

 

「旬八青果店」のほかに、青果の販売ロスを再価値化して都心のオフィス街でお弁当販売をしています。

「旬八弁当」も非常にお手頃価格(500円台)。水を使わずに野菜と果物だけで作った「スムージー」や「蒸し野菜」なども販売していて、野菜本来の甘味が売りとなってお弁当も長蛇の列ができるほど人気とのこと。徹底的に食品ロスをなくすビジネスモデルとすることで、結果、廃棄物に価値を付けて販売することができて、売上・利益を上げることができているんですね。

 

その4:徹底的なPDCA

 

各店舗で接客の際に吸い上げたお客様のニーズを本部で毎日確認し、その情報を農家に直接伝えています。時には、会社側から農家側に作ってほしい野菜の提案をすることも。お客様のニーズに合った野菜や果物を生産し、販売していく。そのPDCAを毎日毎日回すことで、お客様に求められるお店になっています。

 

 

日本の農業を成長産業にしていくために

 

アグリゲートさんは、現在、優秀な人材が食品業界で活躍できる環境構築を支援するため「旬八大学」という事業も行っています。また、ニーズに合わせた地域ブランディング・コンサルティングを行う「AGRIGATE CONSULTING」という事業もやっていらっしゃいます。

 

担い手不足で衰退傾向にある日本の農業を成長産業にしていくために、会社としてもしっかり収益を上げていき、自社も農家も持続的に成長していくことを目指しており、まさにこれが「SDGs経営」だと思いましたので、今回ご紹介させていただきました。

 

もし、皆様のSDGs経営の参考になれば幸いです。

 

それでは、本日の「SDGs道場」は以上です。

 

「礼!」(読んでいただき、ありがとうございました!)